歯周病は生活と密接に関わり合った生活習慣病のひとつです。
お口の中の細菌が原因で炎症が発生し、進行すると出血や歯ぐきの腫れが起こります。
治療期間が長期に渡る場合もありますが、少しずつ状況を改善できるよう丁寧な処置を心がけています。
お口のトラブルがございましたらお気軽にご相談ください。
歯周病は症状と進行度合いによって4段階に分かれており、軽度な症状に近い段階ほど歯を失わずに済む可能性が高くなります。
どの段階でも重要になるのは、ご自身で行う毎日の正しいブラッシングです。
どれだけ歯垢を除去しても、しっかりブラッシングしなければ歯周病の改善・予防はできません。
歯や歯ぐきの異変がある場合はお早めにご相談ください。
炎症が発生し、歯ぐきが赤く腫れた状態です。
ブラッシングや硬いものを食べると出血することがあります。
ほとんどの場合、丁寧なセルフケアと歯石除去を行うことで改善します。
歯ぐきの状態は歯肉炎とあまり変わりなく、痛みもありませんが、歯を支える骨が徐々に溶け始めた状態を指します。
歯と歯ぐきの溝(歯周ポケット)の深さを計測し状態を判定したあとは、ブラッシングと歯石除去で状態の回復を目指していきます。
歯を支えている骨が半分ほど溶けた状態です。
歯ぐきからの出血がある、歯ぐきが赤紫色に変色し腫れる、口臭を感じる、歯がぐらつくなど、しっかりと自覚できる症状がいくつかある段階です。
歯石を徹底的に除去し、ブラッシングを行うことで症状の改善を目指します。
歯を支えている骨がほとんど溶け、歯の根元にまで歯石が付着した状態です。
歯ぐきが下がることで歯が長く見えるほか、骨が溶けて減ったことによる歯のぐらつきやお口のネバつき・強い口臭を感じることも特徴です。
麻酔下での簡易的な外科手術に踏み切ることもあります。
可能な限り歯を残すことに努めておりますが、将来的なお口の健康も含め検討したうえで、やむを得ず抜歯をお勧めする場合もあります。
口腔内の状態を確認し、どれくらい進行しているのかを調べます。
すべての歯が同じ様に歯周病が進行するわけではないので、一本一本の歯に対して検査を行います。
・歯ぐきの炎症の状態
・歯周ポケットの深さ
・歯の揺れ具合
・かみ合わせの確認
・レントゲン撮影し歯を支える骨の状態を確認
・口腔清掃状態の確認
歯周病は細菌による感染症なので、口腔内を徹底して清掃し、歯周病が棲みにくい環境を整える処置を行います。
・プラークコントロール(細菌の棲家である歯垢を除去)
・スケーリング(歯石除去)
・スケーリング・ルートプレーニング(歯ぐきの内部に溜まった歯石の除去)
・咬合調整(かみ合わせの調整)
毎日行っているブラッシングを「いまさら教えてもらうなんて」と思われるかもしれません。
ですが『歯を磨いている=磨けている』であれば、歯周病や虫歯にはならないはずです。
ブラッシングはご自身でできる歯周病治療であり、再発防止につながる予防でもあります。
お口の状態、歯の大きさ、歯並びに合わせて歯ブラシのヘッドの大きさ、向きや角度のアドバイスをします。
また、歯ブラシだけでプラークを除去するのは限界があるので、デンタルフロスや歯間ブラシの使い方もお伝えしています。
歯ぐきの炎症や歯周ポケットの深さを確認をし症状が改善している場合は、引き続き丁寧なブラッシングと定期的なメインテナンスで口腔状態を維持します。
残念ながら思うように改善が見られない場合は、必要に応じて外科的な治療を行い再度検査をします。
歯周病が改善した、または歯が痛くないから歯医者に行かなくても良いということはありません。
歯周病菌を0にすることはできないため、しっかりとブラッシングができていなければ再発してしまいます。
また咬み合わせのバランスが乱れることで、歯周病が悪化することも多くあります。
磨き残しの部分やご自身では磨けない歯周ポケットは、予防のプロである歯科衛生士によるプロフェッショナルケアでサポートしていきます。
メインテナンスの頻度としては、3ヶ月に1回程度が基本です。
ブラッシングが苦手な方や歯周病が改善しない場合は、3ヶ月よりも短くなる場合もあります。